建築物環境衛生管理技術者選任
建築物の所有者には、その建築物の衛生的な環境の維持に努める義務があります。この維持管理が適正に行われるよう監督するために、「建築物環境衛生管理技術者免状」を有する者の中から、「建築物環境衛生管理技術者」を選任しなければなりません。
建築物環境衛生管理技術者は、以下のような環境衛生管理全般に関する業務を統括します。
・管理業務計画の立案
・現場における管理業務の指揮や監督
・建築物環境衛生管理基準に基づく測定や検査結果の評価
・環境衛生維持に必要な各種調査の実施
空気環境測定
特定建築物の維持管理権原者は、建築物衛生法で定められた「建築物環境衛生管理基準」に従って、空気環境を適切に調整する必要があります。この基準に適合させるため、空気調和設備や機械換気設備の維持管理に努めなければなりません。
具体的には空気の浄化、温度や湿度、流量の調節に加え、一酸化炭素濃度や外気導入量など、空気環境の測定方法に則って正確な測定をする必要があります。
排水設備の点検・清掃
排水設備に不具合が生じた場合に汚水が漏れ出さないよう、建築物衛生法により6か月以内ごとに1回の頻度で定期的な点検・清掃、および補修を行うことが義務付けられています。
排水槽内や流入管、排水ポンプ、排水管などの設備は、法令で定められている基準に基づいて適切に維持管理しなければなりません。
貯水槽の清掃・水質検査
建築物衛生法により、貯水槽の容量に応じて、定期的な清掃および水質検査の実施が義務付けられています。建築物を利用する多くの人々が飲料水として水を使用し、安全で衛生的な水を確保するためにも必要です。
センビでは採水から検査まで迅速かつ確実に対応し、信頼性の高い水質検査をご提供いたします。毎日多くの人が利用するものだからこそ、安心安全を守るための継続的な管理をお勧めします。
ねずみ・昆虫などの駆除、防除
建築物衛生法により、ねずみ、ゴキブリ、ハエ、蚊、ノミ、シラミ、ダニなど、人の健康を損なうおそれのある動物については、定められた基準に従って発生の防止・侵入の防止・駆除を行わなければなりません。
また、ねずみなどの防除に使用する薬剤についても、人の健康に悪影響を及ぼさないよう十分に配慮する必要があり、薬事法上の承認を得た薬剤を選定しなければなりません。これらの衛生管理は、定められた基準に従って定期的かつ正確に実施することが求められています。
廃棄物処理
建築物内で発生する廃棄物については、分別・収集・運搬・貯留を衛生的かつ効率的な方法で速やかに処理しなければなりません。また、廃棄物に関する設備は定期的な点検を行い、必要に応じて補修や消毒などの処置が必要です。
不特定多数の人が利用する建築物では、毎日必ず廃棄物が発生します。適切に管理しなければ、空気環境の悪化やねずみ、害虫の発生など、他の衛生問題にも直結するおそれがあります。廃棄物の処理は軽視せず、衛生管理の一環として適切に処理しましょう。